現在表示しているのは、次のバージョン向けのドキュメントです。Kubernetesバージョン: v1.25
Kubernetes v1.25 のドキュメントは積極的にメンテナンスされていません。現在表示されているバージョンはスナップショットです。最新のドキュメントはこちらです: 最新バージョン
拡張リソースをNodeにアドバタイズする
このページでは、Nodeに対して拡張リソースを指定する方法を説明します。拡張リソースを利用すると、Kubernetesにとって未知のノードレベルのリソースをクラスター管理者がアドバタイズできるようになります。
始める前に
Kubernetesクラスターが必要、かつそのクラスターと通信するためにkubectlコマンドラインツールが設定されている必要があります。 このチュートリアルは、コントロールプレーンのホストとして動作していない少なくとも2つのノードを持つクラスターで実行することをおすすめします。 まだクラスターがない場合、minikubeを使って作成するか、 以下のいずれかのKubernetesプレイグラウンドも使用できます:
バージョンを確認するには次のコマンドを実行してください:kubectl version
.Nodeの名前を取得する
kubectl get nodes
この練習で使いたいNodeを1つ選んでください。
Nodeの1つで新しい拡張リソースをアドバタイズする
Node上の新しい拡張リソースをアドバタイズするには、HTTPのPATCHリクエストをKubernetes APIサーバーに送ります。たとえば、Nodeの1つに4つのドングルが接続されているとします。以下に、4つのドングルリソースをNodeにアドバタイズするPATCHリクエストの例を示します。
PATCH /api/v1/nodes/<選択したNodeの名前>/status HTTP/1.1
Accept: application/json
Content-Type: application/json-patch+json
Host: k8s-master:8080
[
{
"op": "add",
"path": "/status/capacity/example.com~1dongle",
"value": "4"
}
]
Kubernetesは、ドングルとは何かも、ドングルが何に利用できるのかを知る必要もないことに注意してください。上のPATCHリクエストは、ただNodeが4つのドングルと呼ばれるものを持っているとKubernetesに教えているだけです。
Kubernetes APIサーバーに簡単にリクエストを送れるように、プロキシーを実行します。
kubectl proxy
もう1つのコマンドウィンドウを開き、HTTPのPATCHリクエストを送ります。<選択したNodeの名前>
の部分は、選択したNodeの名前に置き換えてください。
curl --header "Content-Type: application/json-patch+json" \
--request PATCH \
--data '[{"op": "add", "path": "/status/capacity/example.com~1dongle", "value": "4"}]' \
http://localhost:8001/api/v1/nodes/<選択したNodeの名前>/status
~1
は、PATCHのパスにおける/
という文字をエンコーディングしたものです。JSON-Patch内のoperationのpathはJSON-Pointerとして解釈されます。詳細については、IETF RFC 6901のsection 3を読んでください。出力には、Nodeがキャパシティー4のdongleを持っていることが示されます。
"capacity": {
"cpu": "2",
"memory": "2049008Ki",
"example.com/dongle": "4",
Nodeの説明を確認します。
kubectl describe node <選択したNodeの名前>
出力には、再びdongleリソースが表示されます。
Capacity:
cpu: 2
memory: 2049008Ki
example.com/dongle: 4
これで、アプリケーション開発者は特定の数のdongleをリクエストするPodを作成できるようになりました。詳しくは、拡張リソースをコンテナに割り当てるを読んでください。
議論
拡張リソースは、メモリやCPUリソースと同様のものです。たとえば、Nodeが持っている特定の量のメモリやCPUがNode上で動作している他のすべてのコンポーネントと共有されるのと同様に、Nodeが搭載している特定の数のdongleが他のすべてのコンポーネントと共有されます。そして、アプリケーション開発者が特定の量のメモリとCPUをリクエストするPodを作成できるのと同様に、Nodeが搭載している特定の数のdongleをリクエストするPodが作成できます。
拡張リソースはKubernetesには詳細を意図的に公開しないため、Kubernetesは拡張リソースの実体をまったく知りません。Kubernetesが知っているのは、Nodeが特定の数の拡張リソースを持っているということだけです。拡張リソースは整数値でアドバタイズしなければなりません。たとえば、Nodeは4つのdongleをアドバタイズできますが、4.5のdongleというのはアドバタイズできません。
Storageの例
Nodeに800GiBの特殊なディスクストレージがあるとします。この特殊なストレージの名前、たとえばexample.com/special-storageという名前の拡張リソースが作れます。そして、そのなかの一定のサイズ、たとえば100GiBのチャンクをアドバタイズできます。この場合、Nodeはexample.com/special-storageという種類のキャパシティ8のリソースを持っているとアドバタイズします。
Capacity:
...
example.com/special-storage: 8
特殊なストレージに任意のサイズのリクエストを許可したい場合、特殊なストレージを1バイトのサイズのチャンクでアドバタイズできます。その場合、example.com/special-storageという種類の800Giのリソースとしてアドバタイズします。
Capacity:
...
example.com/special-storage: 800Gi
すると、コンテナは好きなバイト数の特殊なストレージを最大800Giまでリクエストできるようになります。
クリーンアップ
以下に、dongleのアドバタイズをNodeから削除するPATCHリクエストを示します。
PATCH /api/v1/nodes/<選択したNodeの名前>/status HTTP/1.1
Accept: application/json
Content-Type: application/json-patch+json
Host: k8s-master:8080
[
{
"op": "remove",
"path": "/status/capacity/example.com~1dongle",
}
]
Kubernetes APIサーバーに簡単にリクエストを送れるように、プロキシーを実行します。
kubectl proxy
もう1つのコマンドウィンドウで、HTTPのPATCHリクエストを送ります。<選択したNodeの名前>
の部分は、選択したNodeの名前に置き換えてください。
curl --header "Content-Type: application/json-patch+json" \
--request PATCH \
--data '[{"op": "remove", "path": "/status/capacity/example.com~1dongle"}]' \
http://localhost:8001/api/v1/nodes/<選択したNodeの名前>/status
dongleのアドバタイズが削除されたことを検証します。
kubectl describe node <選択したNodeの名前> | grep dongle
(出力には何も表示されないはずです)