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Podのデバッグ
このガイドは、Kubernetesにデプロイされ、正しく動作しないアプリケーションをユーザーがデバッグするためのものです。 これは、自分のクラスターをデバッグしたい人のためのガイドでは ありません。 そのためには、debug-clusterを確認する必要があります。
問題の診断
トラブルシューティングの最初のステップは切り分けです。何が問題なのでしょうか? Podなのか、レプリケーションコントローラーなのか、それともサービスなのか?
Podのデバッグ
デバッグの第一歩は、Podを見てみることです。 以下のコマンドで、Podの現在の状態や最近のイベントを確認します。
kubectl describe pods ${POD_NAME}
Pod内のコンテナの状態を見てください。
すべてRunning
ですか? 最近、再起動がありましたか?
Podの状態に応じてデバッグを続けます。
PodがPendingのまま
PodがPending
で止まっている場合、それはノードにスケジュールできないことを意味します。
一般に、これはある種のリソースが不十分で、スケジューリングできないことが原因です。
上のkubectl describe ...
コマンドの出力を見てください。
なぜあなたのPodをスケジュールできないのか、スケジューラーからのメッセージがあるはずです。 理由は以下の通りです。
リソースが不足しています。 クラスターのCPUまたはメモリーを使い果たしている可能性があります。Podを削除するか、リソースの要求値を調整するか、クラスターに新しいノードを追加する必要があります。詳しくはCompute Resources documentを参照してください。
あなたが使用しているのは
hostPort
です。 PodをhostPort
にバインドすると、そのPodがスケジュールできる場所が限定されます。ほとんどの場合、hostPort
は不要なので、Serviceオブジェクトを使ってPodを公開するようにしてください。もしhostPort
が必要な場合は、Kubernetesクラスターのノード数だけPodをスケジュールすることができます。
Podがwaitingのまま
PodがWaiting
状態で止まっている場合、ワーカーノードにスケジュールされていますが、そのノード上で実行することができません。この場合も、kubectl describe ...
の情報が参考になるはずです。Waiting
状態のPodの最も一般的な原因は、コンテナイメージのプルに失敗することです。
確認すべきことは3つあります。
- イメージの名前が正しいかどうか確認してください。
- イメージをレジストリにプッシュしましたか?
- あなたのマシンで手動で
docker pull <image>
を実行し、イメージをプルできるかどうか確認してください。
Podがクラッシュするなどの不健全な状態
Podがスケジュールされると、実行中のPodのデバッグで説明されている方法がデバッグに利用できるようになります。
Podが期待する通りに動きません
Podが期待した動作をしない場合、ポッドの記述(ローカルマシンの mypod.yaml
ファイルなど)に誤りがあり、Pod作成時にその誤りが黙って無視された可能性があります。Pod記述のセクションのネストが正しくないか、キー名が間違って入力されていることがよくあり、そのようなとき、そのキーは無視されます。たとえば、command
のスペルをcommnd
と間違えた場合、Podは作成されますが、あなたが意図したコマンドラインは使用されません。
まずPodを削除して、--validate
オプションを付けて再度作成してみてください。
例えば、kubectl apply --validate -f mypod.yaml
と実行します。
command
のスペルをcommnd
に間違えると、以下のようなエラーになります。
I0805 10:43:25.129850 46757 schema.go:126] unknown field: commnd
I0805 10:43:25.129973 46757 schema.go:129] this may be a false alarm, see https://github.com/kubernetes/kubernetes/issues/6842
pods/mypod
次に確認することは、apiserver上のPodが、作成しようとしたPod(例えば、ローカルマシンのyamlファイル)と一致しているかどうかです。
例えば、kubectl get pods/mypod -o yaml > mypod-on-apiserver.yaml
を実行して、元のポッドの説明であるmypod.yaml
とapiserverから戻ってきたmypod-on-apiserver.yaml
を手動で比較してみてください。
通常、"apiserver" バージョンには、元のバージョンにはない行がいくつかあります。これは予想されることです。
しかし、もし元のバージョンにある行がapiserverバージョンにない場合、これはあなたのPod specに問題があることを示している可能性があります。
レプリケーションコントローラーのデバッグ
レプリケーションコントローラーはかなり単純なものです。
彼らはPodを作ることができるか、できないか、どちらかです。
もしPodを作成できないのであれば、上記の説明を参照して、Podをデバッグしてください。
また、kubectl describe rc ${CONTROLLER_NAME}
を使用すると、レプリケーションコントローラーに関連するイベントを確認することができます。
Serviceのデバッグ
Serviceは、Podの集合全体でロードバランシングを提供します。 Serviceが正しく動作しない原因には、いくつかの一般的な問題があります。
以下の手順は、Serviceの問題をデバッグするのに役立つはずです。
まず、Serviceに対応するEndpointが存在することを確認します。
全てのServiceオブジェクトに対して、apiserverは endpoints
リソースを利用できるようにします。
このリソースは次のようにして見ることができます。
kubectl get endpoints ${SERVICE_NAME}
EndpointがServiceのメンバーとして想定されるPod数と一致していることを確認してください。 例えば、3つのレプリカを持つnginxコンテナ用のServiceであれば、ServiceのEndpointには3つの異なるIPアドレスが表示されるはずです。
Serviceに対応するEndpointがありません
Endpointが見つからない場合は、Serviceが使用しているラベルを使用してPodをリストアップしてみてください。 ラベルがあるところにServiceがあると想像してください。
...
spec:
- selector:
name: nginx
type: frontend
セレクタに一致するPodを一覧表示するには、次のコマンドを使用します。
kubectl get pods --selector=name=nginx,type=frontend
リストがServiceを提供する予定のPodと一致することを確認します。
PodのcontainerPort
がServiceのtargetPort
と一致することを確認します。
ネットワークトラフィックが転送されません
詳しくはServiceのデバッグを参照してください。
次の項目
上記のいずれの方法でも問題が解決しない場合は、以下の手順に従ってください。
Serviceのデバッグに関するドキュメントで、Service
が実行されていること、Endpoints
があること、Pods
が実際にサービスを提供していること、DNSが機能していること、IPtablesルールがインストールされていること、kube-proxyが誤作動を起こしていないようなことを確認してください。
トラブルシューティングドキュメントに詳細が記載されています。